27回品川セミナー

「ソ連崩壊20年
−体制転換とは何だったのか」

平成2483日(金) 17:30より

溝端佐登史(経済研究所、教授、所長)

20世紀は戦争と社会主義の時代と言われましたが、1980年代末以降の体制転換(経済システムの転換)は世界経済・国際関係の姿を大きく変えてしまいました。2012年はかつて冷戦の一方の主役であったソビエト連邦が崩壊して20年目に当たります。体制転換は机の上で考えられていたものとは異なり、安定した市場経済は作り出されませんでした。社会主義計画経済を自由市場経済に転換するという試みは成功したのでしょうか。どのような市場経済・社会が作り出されたのでしょうか。わたしは、これまで経済システムの変動を理論的・実証的に研究し、体制転換過程を検証してまいりました。体制転換はすでに自明と考えられている市場や政府の役割、さらに現代世界経済の変動を再考するヒントを与えてくれます。体制転換が経済学においてどのような意味をもつのか、ソ連崩壊20年の教訓を考えてみましょう。

写真1−外資系企業・店舗でにぎわう市場
写真2−サハリンプロジェクト